【加工】レーザーとは?

1. レーザーとは?

最近は、研究分野でも産業分野でもレーザーが非常に多く利用されており、一般的な認知度も高くなっています。

レーザーとは、その原理であるLight Amplification by Stimulated Emission of Radiation(放射の誘導放出による光増幅)の頭文字を取ったLASERという造語に由来します。

つまり、誘導放出という原理を利用して増幅された人工の光がレーザーなのです。光ですので、電磁波の一種です。

実際に、この人工の光を生成するには、共振器を用いて増幅して発振します。

歴史的には、1917年にアインシュタインが「誘導放出の理論」にて、レーザー発振の可能性を示しました。その後、1960年にメイマンがルビー結晶を用いたレーザー発振を世界で初めて成功させました。それから、多くの研究・開発を経て、現在のレーザーの利用拡大に至っています。

2. レーザーの特長

レーザーには、以下の特長があります。
 ①単色性
 ②指向性
 ③可干渉性

①単色性

「色」というのは、光の「波長」とほぼ同義です。光の波長が異なると、異なった色として見えます。レーザーは、1つの波長からできています。

そのため、太陽光線のように複数の波長をもった光とは異なり、いくつかの波長の光に分ける(分散)ことはできません。太陽光線をプリズムに通すといくつかの色に分かれますが、レーザーでは、この現象は起きず、一つの色のまま進みます。

単色である利点は、例えば顕微鏡の照明として利用すると、像がボケにくいことです。また、加工の点からは、より細かい点に集光できるため、微細で正確な加工ができます。

②指向性

レーザーは、空間中をまっすぐに進みます。これが、指向性です。ライトのように広がりを持って伝搬する光と違い、平行に広がらずにレーザーは伝搬していきます。

このような平行の光を用いると集光しやすくなります。適切に集光できると、非常に狭い領域に非常に高いエネルギーを集めることができます。これが、加工に有利に働きます。

③可干渉性

可干渉性(コヒーレンス)とは、波が重ね合わさったときに、その強さが強め合ったり弱めあったりすることができるということです。これは、レーザーが位相と周波数のそろった波であるためにおこります。

この性質のため、加工装置内において、いくつもの光学素子を通過してもエネルギーをロスすることなく伝搬でき、集光した加工点で効率的な加工ができます。

3. レーザー応用

レーザーは、加工以外にも様々な応用で利用されています。その特長を活かして、以下の用途で活躍しています。

加工レーザーを集光させた高密度点で除去/付加加工ができる。板金切断、レーザーマーカー、切断、アニーリング、溶接、レーザーメス、3次元造形
通信少ない減衰、高速応答、広帯域、小型を活かし、情報通信光ファイバー、光発信、光受信、衛星間宇宙通信
照明高輝度に単色で狭い領域を正確に照明レーザー顕微鏡、レーザーポインター、墨出し器
測定可干渉性、指向性、単色性により高精度測定レーザー干渉計、位相差顕微鏡、膜厚計、セルソーター、蛍光顕微鏡
検出高速性、指向性、単色性による正確な検知水蒸気検出、LiDAR、微小粉体物質検出、距離検出、CDやDVDなどのピックアップ

4. さいごに

レーザーは人工に作られる光で、他の現象と異なり発見されてから実用化まで非常に短期間ですすみました。現在では、日常生活でも身近に利用できるものとなっています。

加工の分野でも、まだまだ活躍していきそうです。

より詳しい技術情報は、こちらからお問い合わせください。

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